睡眠の質を高める「睡眠のゴールデンタイム」とは!?
睡眠負債は、健康面にも経済面にも悪影響を及ぼすことを以前のブログでお伝えしましたが、肩こり・腰痛・背中の痛みなど筋肉のコリ・張り・痛みに、睡眠不足が大きく影響していることはご存知でしょうか。睡眠不足によって自律神経のバランスが崩れることで、筋肉の代謝が低下し、疲労物質が滞留することでコリが生まれます。
そのため、睡眠不足を解消することが身体の不調を解消することにつながっていきます。
睡眠不足を解消するに当たり睡眠には質を高める必要がありますが、重要なゴールデンタイムがあるのはご存知でしょうか。睡眠不足解消の鍵は、このゴールデンタイムをいかに活用できるかが重要です。
以前、『睡眠負債』について解説した記事で
- 日本人は世界的にみても、平均睡眠時間が短く、睡眠不足大国である
- 睡眠時間が短かくても長すぎても生活習慣病にかかるリスクが高くなる
ことについて触れましたが、睡眠不足の理由として、
- 通勤・通学時間が長い
- 子供のお弁当作りのために早起きをするが、寝るのも遅い
- 夜遅く帰ってくる人を待ってから寝る
- 日中の運動量が少ない
- 糖質を摂りすぎている
など、いろいろな理由があります。
実際、私が整形外科クリニックにて腰痛のリハビリを対応した方で「朝4時に起きて家族の弁当を作り、日中パート、休日は義母の介護、夜は深夜に帰ってくる娘の帰りを待ってから深夜0〜1時に就寝する」ために睡眠時間が3時間〜4時間という超ハードな生活を送っている方がいました。「寝ていても腰痛、寝たと思ったらこむら返り、リハビリしても筋肉の柔軟性がなかなか改善されず、起立性低血圧で倒れたことも」という状態でした。自律神経である交感神経と副交感神経の活動バランスが崩れてしまった状態であり、睡眠負債がかなり溜まっている状態でした。
人間は人生の1/3を睡眠で過ごすと言われていますが、残り2/3を快適に、パフォーマンスを落とさず活動できるようにするためには睡眠をないがしろにはできません。睡眠負債のブログで、生活習慣病にかかりにくい睡眠時間は、統計で7時間前後と説明しましたが、良質な睡眠を得るためには、睡眠時間を確保するよりも睡眠の質を高める方が良いと言われています。
睡眠時間がたとえ少なくても、質が保てれば身体にかかる負担を最小限に抑えることができるわけです。それでは、質を高めるために知っておくべき睡眠についての情報をご紹介します。
レム睡眠とノンレム睡眠
睡眠は、レム(REM:Rapid Eye Movement)睡眠とノンレム睡眠で構成されています。
レム睡眠
急速眼球運動=Rapid Eye Movementの略称をREMといい、脳は起きているが、身体が寝ている状態を指します。
【特徴】
- 夢を見ている
- 脳は活動していて、思考の生理や記憶の定着を行っている
- 身体を休ませる(骨格筋の筋活動の低下)
- 総睡眠時間の20%を占める
ノンレム睡眠
たまに緩徐な眼球運動は行うが、急速眼球運動は行わないため、non-REMといい、脳も身体も寝ている状態を指します。
【特徴】
- 睡眠の深さによってステージ1〜4の4段階に分けられる
- ステージ4が一番深い睡眠
- 副交感神経の働きが優位になる
- 脳の休息
- 寝返りをうつ
これらのレム睡眠・ノンレム睡眠が起きるまでの間に4回程度繰り返され、明け方になるにつれて、レム睡眠の時間が長くなります。
22時〜2時は睡眠のゴールデンタイムなのか?
健康系のテレビが増え、睡眠に関する特集もありますが、「睡眠のゴールデンタイム」という言葉を聞いたことがある方もいらっしゃるかと思います。
睡眠のゴールデンタイム = 22時〜2時
と報道され、このゴールデンタイムの時間に成長ホルモンが分泌され、細胞の作り変えが起こり、「美容・ダイエットに効果的!」と言われることが多いです。
ですが、成長ホルモンが22時〜2時に多く分泌されるというのは正しくありません。実は、成長ホルモンは、寝始めてから90分間に起こるノンレム睡眠にてたくさん分泌されるということが研究でわかっています。22時に寝ようが、2時に寝ようが始めの90分に深い睡眠が確保できていれば、成長ホルモンがたくさん分泌され、身体に良い影響をもたらすのです。
そのため、最初のノンレム睡眠の際に起こる90分間がゴールデンタイムと覚えていただくと良いかと思います。後ほど、成長ホルモンに関して詳しく述べていきます。
寝始めて90分の睡眠の質が高いことでのメリット
先ほどは成長ホルモンの話をしましたが、90分のノンレム睡眠の質を高めることでみられる身体への3大メリットについてご紹介します。
自律神経が整う
入眠して眠りが深まっていく時、交感神経の活動が弱まり、副交感神経の活動が優位になります。「活動時は交感神経、休息時は副交感神経」とそれぞれの神経の交代がスムーズに進むと、脳も身体もリラックスし、しっかりと休息を取ることができます。
自律神経は、呼吸、体温、心臓や胃腸などの内臓の働きなど、生命維持をするために欠かせない神経です。自律神経系の不調は体だけでなく、心の病気の原因にもなります。(自律神経に関する詳しい解説は別記事にします)
頭痛、ストレス、疲労感、イライラ、肩こり、冷え性など、「なんとなく調子が悪い」という違和感の根幹には自律神経の乱れが関係していることがあります。
腰痛やこむら返りなども自律神経が乱れることによって血流が低下したり、筋肉の働きが弱くなることで起こったりすることがあります。
ですので、睡眠で自律神経が整うことで、身体の不調の一部を整える効果が期待できます。
成長ホルモンが分泌される
先ほどから述べていますが、始めの90分に起こるノンレム睡眠にて成長ホルモンが分泌されます。しかも、睡眠全体の70〜80%が始めの90分分泌される特殊なホルモンで、「いつもなら寝ている時間」に起きていると全く分泌されません。
入眠時間が明け方や日中になってしまうことでも成長ホルモンの分泌量は減ってしまいます。
成長ホルモンは、そもそも子供の骨や筋肉などの成長を促すのに必要なホルモンですが、大人でも細胞の増殖・成長を促したり、内臓・脂肪・筋肉の代謝促進、皮膚の柔軟性アップやアンチエイジング効果も果たす重要な役割をもっています。老人になっても分泌されるホルモンですので、生き生きと生活するためには、重要なホルモンといえます。
脳のコンディションが整う
質の良い睡眠には、ノンレム睡眠だけでなく、レム睡眠も前述した睡眠リズムに合わせて、切り替わる必要があります。ですが、うつ病や統合失調症の方の睡眠リズムにおいて始めの90分間にて起こるノンレム睡眠が不十分確保できず、睡眠リズムが崩れ、レム睡眠が早くから出現してしまい金縛りや脱力感の原因になるとされています。
しかし、こういった症状が改善し、最初の深いノンレム睡眠が整うと、レム睡眠も整い、寝始め90分間にて最高の睡眠となります。
ですので、「脳のコンディション」を整える働きが寝初めの90分にあると考えられています。
始めの90分を最高の睡眠にするには
寝始めの90分が大事と散々書いてきましたが、この90分間にあるノンレム睡眠がステージ4の深い睡眠に達している必要があります。
最初の90分が整わないことで、気分、体調、自律神経機能が整わなくなってしまいます。
では、始めの90分間にあるノンレム睡眠をより深い睡眠にするためにはどういったことをに気をつけていったら良いのでしょうか。
体温を味方につける
質の良い睡眠をするには、深部体温と手足の温度が重要になります。
人間の深部体温は、睡眠時より覚醒時のほうが高く、睡眠中は温度を下げて臓器や筋肉、脳を休ませ、覚醒時は温度を挙げて体の活動を維持します。手足の温度は、活動中は低い状態ですが、入眠前から徐々に高くなり、深部体温を下げようとします。
この深部体温と手足の温度の差が少なければ少ないほど入眠しやすくなります。その温度差を最小限にする方法として言われているのが、入浴です。40℃〜41℃のお湯に20分浸かることで深部まで身体が温まると言われています。そこから寝るまで1~2時間かけて体温が徐々に下がるに連れて眠気が誘発され脳がしっかり休まりいい睡眠へとつながります。
脳を覚醒状態から開放する
人間が活動している間は、脳が覚醒している状態が続いています。覚醒した状態が続くと、興奮状態や緊張状態が続くため、ストレスになったり疲労が溜まったりしてきます。寝るときにはこの覚醒状態を開放してあげることで、鎮静化したり、緊張状態が解け入眠しやすい状態になります。
脳の興奮状態を続けない方法としていくつかありますが、一般的に紹介されやすいのは、寝る直前にテレビ、パソコン、スマートフォンやタブレットを使わないと行ったものがあります。
薬を使わず、睡眠不足の生活を見直したい方はハルモニアへ
睡眠のゴールデンタイムは22時〜2時ではなく、寝始めてからの90分間ということについて解説してきました。
寝なきゃと思って眠くないのに布団に入り、入ったはいいけど眠れなくて布団の中で眠気が来るまでスマートフォンやタブレットを操作している人もいるのではないでしょうか。
整体サロンハルモニアでは、睡眠不足の原因をカウンセリングをもとに探し出し、生活習慣の見直しや食生活のアドバイス、生活環境の調整、身体のコンディショニング、アロマテラピーによる嗅覚刺激を用いてより良い睡眠を得られるようサポートしています。
睡眠に関するご相談やコンディショニングも行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
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